748335 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

13~大き過ぎた誤り

13.大き過ぎた誤り

ネコのいる生活…幸せですね。
何もネコに限りはしないと思いますが、振り返ってみれば、何ものにも代え難い幸せをもらっていたのだと。

音楽の仕事につきたいと、大学を中退した時に親から『そんなので、モノになるのか』と言われ、同じ職業の人からは『畑違いだ』と言われ、小遣い程度ではなく何とかして会社員と同じかそれ以上の稼ぎをたたき出したかったわたしは、少し仕事を優先しすぎた時期がありました。
それが、この頃です。

年間の休みが祝日だけ、という一年もありました。

仕事→ネコ→その他、の優先順位を崩すことなく続けてきましたが、もとより優先順位をつけてはならない種類のものだったのですね。

ネコたちはそれから、時々病院のお世話になることもありましたが、日々健康。
つれみだけはその後何かの病気で思わぬ出費があったので、別名『はちまんネコ』から『じゅうさんまんネコ』に昇進いたしましたが、それ以降、現在までの昇進はございません(というか、あまりにお世話になったので忘れました)。

それぞれの避妊手術も滞りなくすませ、また何事もなく暮らす日々。
わたしは昼に出かけ、夜中にこっそり帰って来る生活。同居家族と会うことすら、あまりない。

暗い3畳の部屋に明かりをつけると、きくのが顔を上げ、つれみが何か言い、そしてともたろうが背中に飛び乗る、そんな毎日がわたしはとても好きで、そういうネコたちとの暮らしがこれから先も10年以上続くと思っていました。

それは当然のことだと思っていました。

土日は一週間のうちで一番忙しい日です、朝から出かけて夜は遅くなります。
動物病院の開いている時間帯には、仕事をしていることになります。

3月に入っての、とある土曜の午前中、ともたろうが何度かトイレに座っているのを見ました。
そして、用を足していないように見えました。
あれ?おかしいな、と思いました。
そして、ちょっと考えてから、わたしはそのまま仕事に行きます。

そして、この時の判断の誤りが十数年経った今でも、自分の心の痛みとして、残ることになります。


14へ



© Rakuten Group, Inc.